茉莉から半分になったパンを受け取る。
2人で笑い合いながら、時にこぼしながら食べた。
茉莉……俺、茉莉の笑顔好きだよ。
ねぇ、俺、茉莉の全部を
〈愛してる〉
胸に収めきれなくて、手話を使って伝えた。
茉莉は口を間抜けに開いて顔を真っ赤にして
〈あたしの方が光輝を愛してる〉
と伝えてきて俺の唇に唇を重ねた。
ねぇ、父さん、母さん。
俺、こんなに愛されてたんだね。
ごめんね。愛されてない、って勘違いして。
今、叔父の家に連れてきてくれたこと本当に感謝してる。
だから会いたいよ。
でも、父さんと母さんがいつ迎えに来てくれるか分かんないから今度、俺が2人を探して会いに行くよ。
茉莉と一緒にあの手紙を持って。
父さん
母さん
叔父さん
茉莉
愛してます。
【完】


