「痛くなかった?大丈夫?」


〈うん〉


事が終わり、茉莉を腕に閉じ込める。


温かくて、幸せ。



始めは、ただ声が聴きたくて茉莉を抱いてた。


自分のために茉莉を抱いてた。


でも、今は声が聴きたくて抱いたんじゃない。



茉莉を感じていたかったから、俺を感じて欲しかったから抱いた。



前より温かいセックスだったと思う。



〈メロンパンだ。食べていい?〉


メロンパンを指差して笑顔で伝えてくる。


と、同時に


グゥ~


俺の腹が鳴った。


や、やべ。笑われる。


茉莉を見ると、やっぱりニコッと笑ってる。


茉莉はメロンパンの袋を開けてパンを半分に分けた。


片方を俺に渡す。


その時の茉莉の笑顔で、胸がいっぱいになった。