茉莉がその場で声をださずに泣き崩れた。
ずっと苦しい思いをしてたのは俺だけだと思っていた。
茉莉も同じように苦しんでたんだ……。
泣きながら震えて上手く動かない手を必死に動かして伝えてくる。
〈なんで、あたしには“言葉”が存在しないの?〉
「……っ」
〈あたしだって愛してるって言いたいのに!言われたいのに……!〉
叔父が書いた手紙を思い出した。
両親は俺に愛を伝えたくても伝えれなかった。
茉莉も伝えたくても伝えれない。
同じなんだ。
また、まぶたから涙が溢れてきた。
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