この女のことを愛してはない。


本当に好きなのは茉莉だけ。


でも、他の女にすがるのは、茉莉の口から“愛してる”が聞けれないから。


愛されてる、って実感が足りないから。



茉莉を抱いてる時に漏れる甘い声を聴く時だけしか、愛されてる、って思うことが出来ない。


女は、抱きついて首に腕をまわし、頬を緩ませながら唇を重ねてくる。


……気持ちよくないキス。


でも


「光輝、愛してるから……」


こう言われると何かが満たされる。