「え~!なんで!?」


ここに来たくない。


多分ここにくる度に、この女を抱いた虚しさを思い出してしまうから。



「ゴメン」


ただそれだけを言って、玄関のドアを開けて女の家を出た。



家を出てすぐに視界に入ったのはきれいな夕日だった。


茉莉を無理やり抱いて、好きでもない女を抱いて、それでも空っぽな俺には夕日が眩しく見えた。


涙がまた頬を濡らす。



茉莉ゴメン、本当にゴメンな。


もうあんなことしないから。


いっぱいいっぱい謝るから……

だから、俺を捨てないで。





茉莉、好き。


――愛してる。