〈両親に愛されたい気持ち分かるよ?〉



いや、茉莉には分かんねぇだろ。


あの手紙見ただけで同情なんかされたら腹が立つんだけど。


茉莉の頬から手を離す。


〈大丈夫だよ。あたし光輝のこと大好きだから、1人じゃないからね?〉




“大好きだから”




じゃあ、なんで俺は今こんなにスッキリしてないんだ?


茉莉の“大好き”を伝えてもらってもなんで満たされてない?



[お母さん、光輝のこと大好きだよ]




――これは母さんの言葉。


この言葉を言われた時

俺は満たされていた。