右を見ても左を見ても、当然目の前にもいない。
もしかして歩くスピード早すぎた?
後ろに振り向くとずっと遠くで茉莉が立ち止まって下を向いて泣いていた。
……なんで茉莉はそんな泣いてばっかなんだよ。
また来た道を走って戻り、茉莉に近づく。
「なぁ、なんで泣くんだよ」
口元が見えるように茉莉の頬を両手で挟んで無理やり顔を上げさせる。
すると茉莉は震えてる手を動かす。
〈光輝の気持ち分かるよ?〉
…………。
は?分かるって何が?
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…