親戚はいつも困った顔をしながらも笑って手紙を受け取っていた。


俺はその笑顔を見て、ちゃんと手紙が両親に届いているものだと信じていた。



だけど、本当は親戚も両親の居場所なんて知らなかったんだ。


親戚が死んでから家の物置から箱と手紙が見つかった。


それは俺が両親に書いた手紙。


捨てようとして何度もゴミ箱につっこんだけどゴミ捨て場までは持っていけれなくて……。


手紙を隠すことが親戚の精一杯の優しさだった、って思うと捨てれなかったんだ。