「茉莉」
俺は座ってる茉莉をビックリさせようと、飛びつくように抱きしめた。
横目で彼女を見ると、さっきと同じように顔を赤く染めて、頭の上にたくさんのハテナマークを並べている。
重傷かな?
俺は、可愛い以外の言葉を知らないみたい。
……あれ?
「ねぇ、茉莉」
口元が見えるように、彼女を閉じ込めていた腕の力を緩ませ、視線の高さを合わせた。
〈なに?〉
見たところ茉莉は、制服姿で通学カバンも持っている。
どんだけ早く学校行くんだよ。
まだ7時きてねぇぞ。
――早く学校に行ってもヒマだよな?
「ちょっと俺んちよらない?」