【ぷ】から始まって【る】で終わるも。
賢太はきっと、それを探そうとしているはずだ。
でももう『プール』は使えない。
「てめぇ、分かってんだろうな?」
すぐそばで、悠馬も脅しをかける。
「わ、分かってるよ!」
今にも泣き出しそうな賢太を見ていると、私の考えは間違っていたのかも?と思った。
始めっから、裏切るつもりなんてなかったかも。
それなら『ロッカー』を選んだほうが良かったかな?
少しだけ悔やんでいると、やっと賢太が動き出した。
向かった先は【ゲーム部】の部屋だ。確か今朝、賢太もこの中にいた。だから思いついたのかも?
色んなオモチャが置いてある。
ここは言葉の宝庫かもしれない。
なかなか難しい言葉の【ぷ】も、ここなら見つかるかも。
賢太は物を漁るでもなく、ただ部屋を見回している。
「時間ねーぞ?まぁ、俺としちゃ、お前の脳天に鎌が突き刺さっても構わねーけどな」
悠馬がせせら笑う。
もし見つからなかったら、賢太が死り神に殺される。
それはそれで、難しい言葉を投げた私は責任を感じてしまう。
せめて、なにか見つかってほしい。
なにか__?
賢太が、ゆっくりと動く。
棚に飾ってある、有名なロボットを手に取って振り返った。
その唇を、これ以上ないくらいに吊り上げて。



