結局、明香は突発性の出血死ということになった。


なにかで刺されてはいるけど、あの場ではなにも事件性がないことは、クラス全員が目撃している。


ごめんね、明香。


手を合わせ、心の中で祈る。


どうか安らかに、と。


新田くんたちも、神妙な面持ちで手を合わせていた。


悠馬も、このときばかりは静かだ。


【る】を引き渡した責任を感じているのかもしれない。


その腹いせに、賢太をぼこぼこにしているけど。


あんなに痛めつけられたんだ、もうおかしなマネはしないと願いたい__。


そのとき、フラッとよろめいた。


えっ⁉︎こんな時に?


そう思ったけど、死りとりゲームは待ってはくれない。


現実世界で数秒のことだから、問題はないだろう。


明香、私たちを応援してね。


気合いを入れながら、私はきつく目を閉じた__。











__ちゃんと、自分の席に座っている。


死りとりゲームがまた、始まろうとしていた。


『それでは、死りとりゲームを始めましょう!』


憎たらしいくらいの、明るい声だ。


気持ちを落ち着かせるのに、ひとつ大きく息を吐き出し、私たちは立ち上がった。


『まずは【び】のつく言葉からです。よーい、始め!』