校門に行くと、先生たちが待ち構えていた。
「視聴覚室に行ってくれ」
そう言ったのは、私たちクラスの担任である竜ヶ崎(りゅうがさき)先生だった。その厳つい苗字の通り、体がでかい体育教師で、熱血漢だ。
ただ、今は元気がなく、心から明香が死んだことを悲しんでいるように見える。
熱くてウザいけど、私たちにとっては良い先生だった。
まだチャイムが鳴るまでかなり時間があるのに、ああして生徒たちを迎え入れているのだろう。
不謹慎だけど、ちょうどいい。
今の私たちには、教室はそれほど用事がない。
普段、あまり行かないような所を探索して、そこにある物を覚える必要があるからだ。
「部室なんか、狙い目だな」
悠馬が、校庭の脇にある部室に入っていく。
鍵もかかっていなくて、これならゲームの世界でも入れるだろう。
ここは運動部の部室が並んでいる。
「なんか、臭くない?」
鼻を摘んだ響子が入ったのは【野球部】だ。
確かに汗ですえたような匂いがするけど、我慢して部室内を見回す。
バットにボール、ミットなんかもある。
できるだけ沢山の物を覚えるんだ。
それからも私たちは、時間が許す限り学校内を見て回った。



