「とにかく、ゲームはもうやめよう」
新田くんの提案に、反対する人など居ない。
私たちは頷いて【しりとりゲーム】を退会しようと__?
「あれ?なんか違くない?」
アプリを開いた響子が、首を傾げる。
なにも変わったことはないように見えるけど?
「本当だ。文字が変わってる」
「文字?」と、なにか発見したらしい賢太のほうを見る。
「うん。しりとりの【し】が漢字になってる」
「えっ__?」
よく見ると、確かに違う。
【しりとりゲーム】の【し】が【死】になっていて【死りとりゲーム】になっていたんだ。
一体、いつから?
「とにかく消そうぜ」
悠馬が気味が悪そうに言って【死りとりゲーム】のアプリそのものを消しにかかる。
私はアプリを開き退会する方法を探すが、なにも見当たらない。
悠馬のように、アプリ自体を消さないとだめなのか?
「くそ、消えねー」
「ほんとだ。消えない」
響子の言葉どおり、何をしても【死りとりゲーム】のアプリはスマホに貼り付いて削除することができなかった。
このままじゃ、強制的にゲームに参加させられる。
そしてもし【死りとり】に失敗すれば__死神に殺されてしまう。