慌てて職員室を飛び出していく賢太を、私たちは追いかけた。
賢太はそのまま校舎を出て、すっ転んだ。
激しく地面に突っ伏し、悠馬が手を叩いて笑う。
制限時間はあと1分。
はじめっから、賢太を失格にするつもりだったのだろう。
しりとりゲームは、お互いの邪魔をしてはいけない。
なんてルールはない。
もっと極端にいえば、制限時間いっぱい邪魔をすれば失格に追い込める。
まぁ、誰かが失格してしまうとポイントが貰えないから、やっぱりここはお互い協力し合ったほうがいいけど。
「なにやってんだよ?穴でも掘ってんのかよ?」
小馬鹿にしたように、悠馬が笑う。
前回、先に裏切った賢太が悪いといえば悪いけど。
その賢太は地面に這いつくばって、なにかを探している様子だ。
まだ、諦めてないの?
そういえば、ここまで来る足取りに迷いはなかった。
「あっ、あった!」
砂埃で眼鏡が曇っている賢太だったけど、その他には大きな「石!」が握られている。
『クリアです』
「んなもん、学校の外じゃねーかよ!」
悠馬が難癖をつけるも、判定は覆らない。
「ちぇっ、クリアしやがったか」
舌打ちをした悠馬が、校舎に戻っていく。
【し】のつくものなら、いくらでもあるだろう。



