4回目ともなると、私たちは落ち着き払っていた。
準備も万全で、しりとりゲームの世界に入り込む。
前回は【わし】で終わった。
だから【しゅうせいえき】→【きって】→【てちょう】→【うまいぼう】→【うさぎ】→【ぎゅうにゅう】となっている。
響子が私たちに目配せをし、かばんの中に手を突っ込んだ。
前回、裏切った賢太は、とてもおとなしい。
唇が腫れ上がっているから、悠馬に殴られたのだろう。
さすがにまた裏切るとは思えない。
ちゃんと手帳も用意していたが__。
『今回から特別ルールになります』
えっ?特別ルール?
『しりとりゲーム、3回目までは練習です。この世界にあらかじめアイテムを持ち込み、不正をすることも見逃してきました』
私たちは驚いて、お互いの顔を見合わせる。
バレてたんだ。
ゲームが始まる前に打ち合わせして、アイテムを仕込めば100%クリアできる。
それがずっと許されるはず、ないのか__。
『この4回目の死りとりゲームから、本番となります。心してチャレンジして下さい!』
空気が張り詰める。
なにか、これまでとは違ったゲームが始まる予感。