机になだれ込んでいった賢太は、怒りに顔を強張らせてすぐに立ち上がった。


「し、信じた僕が馬鹿だった。でも、タオルでクリアしたら、そのあと殺してやるからな」


憎しみがこもった目で、私を睨みつける。


制限時間内に死りとりをクリアし、自分の安全を確保した上で、遠慮なく私を殺しにくるだろう。ついでに新田くんも殺すんじゃないか?


ルールなんて関係ない。


もうゲームなんかじゃない。


だってこれは、デスゲームなのだから__。


『残り時間30秒です!』


そんなアナウンスにも、賢太は余裕で微笑んでいる。


だってもう【た】から始まる答えを見つけてあるのだから。


それは「タオル?__あれ?タオルは?」と慌て始めた。


「もしかして、これ?」


私は、白いタオルを目の前に掲げる。


賢太からこっそり奪い取ったタオルだ。


「か、返せっ!」と飛びかかってくる賢太より先に、私は窓を開けてタオルを放り投げた。


「お前っ!なにするんだよ!」


カッターを突き出してくる賢太に、私は言い放つ。


「急がないと、失格になるけど?」


そう、私が狙ったのは『タイムオーバーです』だ。


賢太がいくら私を殺したくても、賢太自身が失格者になれば、優先的に死り神に殺される。


こんなやつ、鎌で殺されればいいんだ!