「僕にとっては、君を殺したほうがより確実なんだけどなぁ」
「__やめて」
「頚動脈をひと突きすれば、即死だろうからまだ時間は間に合う。もし間に合わなかったら、その時はタオルに変更するよ」
そうなったら、殺され損じゃないか。
傷ついた新田くんが【る】を見つけるのも難しいかもしれない。
そうすると、今回のゲームですべてが終わってしまう。
なんとかしなきゃ。
なんとか。
「残り3分。そろそろタイムオーバーかも」
そう言ってカッターを突き出す賢太に向かって、私は叫んでいた。
「キス!」
「はぁ?」
「キ、キスする!キスするから許して!」
「えっ__?」
賢太が絶句する。
それまで自信に満ち溢れていたのに、顔を赤らめて目を泳がせ始めた。
私は知っていたんだ。
賢太が私を見る目に、特別なものが含まれていると。
キスなんかしたことないはず。
「そ、そ、そんなこと」
ほら、テンパってる。
「田辺、やめろ!俺なら__」
「いいの!助けさせて!」
「でも」
「いつも助けてもらったから、今度は私に助けさせて!」
全力で訴えると、新田くんは肩を落とした。
あとは、こいつとキスするだけだ。



