「お願い、やめて」
なにかが首から滴るのは、おそらく血だろう。
「やめて?どっちを?カッターで首を斬られるのを?それとも君が好きなひとを痛めつけるのを?」
「どっちも、やめて」
「それは随分と調子よくないかな?僕にメリットないじゃないか」
「なんでも、いうこときくから」
「た、田辺!」
痛みで起き上がれない新田くんが叫ぶ。
このままじゃ、私だけじゃなく新田くんまでいたぶられて殺される。
たぶん、賢太の言っていることは本当だ。
しりとりは、1人ではできない。
つまり、最後の1人になればゲームは終わる。
私を殺し、新田くんも殺し、賢太は自分が勝ち残る気でいる。
それだけは絶対に阻止しないと__。
「なんでもいうことをきくから、殺さないで」
「なんでもねぇー」
首を傾げて考え込む賢太は、片方の眉を上げた。
「そんなこと言って、時間を稼ごうとしてないよね?あと4分。自分を殺させないためとか?」
「そんなこと__」
図星だったから、何も言えない。
「そうなることも想定内さ。だからほら、これ。ちゃんと用意してるから」
そう言って差し出したのは『タオル』だ。
もし私を殺し損ねても、自分が失格にならないように用意していたのか。しかも【る】で終わらせるという、周到さ。
どっちみち、賢太を追い込むことはできない。



