すぐに『けしごむ』を思いついた。
それなら、この教室内にたくさんあるだろう。
もし難しい言葉を賢太にぶつけても、賢太は死り神を殺そうとするはずだ。
ここは深く考えても仕方がない。
机の中をあさり「消しゴム!」を取り出した。
『クリアです!それでは次は【む】のつくものを見つけて下さい』
そう指示されたにもかかわらず、賢太は動こうとしない。
考えているのか、それとも__?
「何度も言うが、死り神を殺すつもりなら協力はしない。死り神は失格者を最優先に襲う。お前が襲われている間に、俺と田辺はどこかに身を隠すよ。スマホの電源を切ってな」
改めて協力できないことを、新田くんが告げる。
賢太は押し黙って、言葉の意味するところを考え込んでいる様子だ。
ただ協力しないだけじゃない。
それはすなわち、賢太一人で死り神と対峙するということ。
囮も使えなければ、不意打ちも無理だ。
そして死り神は、学習している。身体能力の高い化け物に勝つ可能性は低いだろう。
「わかったよ」
観念したように肩を落とした賢太は、静かに教室を出て行く。
【理科室】にやってくると「虫眼鏡」を見つけた。
『クリアです!』



