死りとりゲーム



『それでは死りとりゲームを始めましょう!』


底抜けに明るいアナウンスが、なんだか憎たらしい。


私が腹を立てているのは、それだけじゃないけど。


「なんだよ、睨むなよ。ああしなきゃ、今頃は田辺が死んでたじゃないか」


賢太は『罪悪感』をまったく感じていないらしい。


「僕に感謝してほしいくらいだよ」と。


「あんたねぇ!」


思わず殴りかかろうとしたけど「ちょっといいか」と新田くんに止められる。


「1つはっきりさせておく。もし今後も、死り神を殺してクリアするつもりなら、俺と田辺は絶対に協力しない。それだけは覚えておいてくれ」


「ちゃんと死りとりでクリアしろって?」


「そうだ。俺たちは、誰も傷つけたくない」


新田くんが、私と同じ思いなのがとても嬉しかった。


そんな私たちを見比べ、賢太は口を尖らせる。


「誰も傷つかないなんてこと、あるかな?」


「協力し合えたら、必ずできるはずだ」


「まっ、考えとくよ」


素っ気なく言うと、プイッとそっぽを向く。


私たちの真意が伝わったとは思えないけど、ここは信じるしかない。


『はじめの言葉は【け】です。それでは、よーいスタート!』