そこは校庭だった。
血なまぐさい教室じゃなく、秋風が吹いている爽やかな校庭で__私は響子の手を握っていたんだ。
自分だけ退会したことを『ごめん』と謝っていた響子の顔が、驚きに変わる。
その瞬間、私はすべてを悟った。
私がゲームの世界で体験したことを、響子も味わっていること。
つまり、仮面が外れたときからの記憶が蘇っている。
死り神だったときの記憶はないんだ、操られていたから。
でも、仮面が取れて自分を取り戻した時点で、響子もまたゲームに舞い戻った__。
「__に、たく、ない」
消え入りそうな声で呟きながら、脇腹を押さえる。
賢太に刺された、右脇腹を。
「響子?」
「死にたくないよ」
「響子!」
崩れ落ちる響子を支えるけど、重みに圧されて座り込む。
ゲームの世界と同じだ。
見る見るうちに、脇腹が赤く染まっていく。
ゲームの世界で起きたことは、現実でも起きる。
「響子、しっかり!」
「__死に、たくない」
涙を流して懇願する響子の手が、だらりと垂れ下がった。
響子は死んだ。
死りとりゲームを退会したはずなのに。
一体、どうして__?



