「がっ!」


響子の口から、血が漏れ出した。


「響子?響子!」


「おい、なにやってんだ!」


新田くんが、賢太を突き飛ばす。


床に転がった賢太は「こうしないとクリアできないだろ?」と、悪びれることなく言った。


どんどん響子が重たくなっていく。


「しっかりして!」


なんとか支えようとするけど、重みに圧されるように床に倒れこむ。


「死り神を退治しなきゃ、誰かが殺されるんだ!」


「でも、でも響子は死り神じゃなかった!それならさっき、私を鎌で殺したはずじゃない!それなのに響子は、ごめんねって。私にごめんって__」


涙が溢れ、全てが霞んで見えた。


教室も、強気な賢太も、味方してくれる新田くんも。


顔色をなくしていく響子も__。


「そんなの、信用できないだろ!じゃ、自分が死ぬっていうのか⁉︎」


「それはっ__!」


賢太に言い返さなかったのは、響子が私の手を掴んだからだ。


「響子?しっかりして」


「__ごめ、ん」


「謝らないで!もういいから、謝らないでよ!」


「でも__ごめんね」


そう言うと、腕の中の響子がふっと力を抜いた。


なにかが抜け落ちたみたいに。


「響子、響子」


何度も名前を呼んでいるうちに、目の前が暗転する。


ゲームが終わりを告げたんだ__。