そこは【音楽室】だ。
【りんご】→【ごりら】とくれば、その後に続くのは1つしかない。
「あった!ラッパ!」
吹奏楽部で使うのか、奥からラッパを持って戻ってきた賢太。
『クリアです!』
早くもクリアしてしまった。
さすがに頭の回転だけは良いのかもしれない。
『それでは次は__』
まだアナウンスの途中だったけど、棚橋くんが「楽勝じゃね⁉︎」と遮る。
ラッパの【パ】から始まるもの、でもそれって誰もが思いつくものじゃ?
「ちょっと棚橋、あんたまさか__?」
響子が身構える。
「もうこれしかねーじゃん⁉︎」
そう言うと、棚橋くん__いや、もうこの際、悠馬でいい。
なぜかって、悠馬は私たちが見ている前で制服のズボンを脱ぎ去ったからだ。
「ちょっと!」
思わず目を背けたのは、どうやら私だけのようで、響子と明香はけらけらと笑っている。
「なんだよ!笑うんじゃねーよ!」
「だって、史恵も見なって!」と、響子に引っ張られて__悠馬のパンツ姿が目に飛び込んできた。
「ぷっ!」
「田辺!お前も笑うんじゃねーって!」
「だって!」
私たち女子は、悠馬の可愛らしいキャラクターパンツを指差して笑い合っていた。
賢太も新田くんも笑っている。
「ほら、パンツだよ!これでいいだろ⁉︎」
得意げに腰を突き出す悠馬だったが__。



