「えっ、うそ?だってあと1回クリアしないと__?」
そうしないと、退会できるポイント貯まらないはず。
でも「ほら」と、響子が見せてくれた画面には【15000ポイント保有】とあった。
「じゃ、ゲームをクリアする方法はふた通りあるんだ。1つは、正当に死りとりをクリアする。そしてもう1つは、死り神を__退治する」
新田くんはあえて『退治』と言ったような気がする。
少しでも私が責任を感じないようにという、気遣い。
「じゃ、もうゲームやんなくていいんだ?もう退会するでしょ?」
退会をスマホで操作できるのは、ゲームアプリを始めに登録した響子だ。
「退会するに決まってる」
「俺も同じだ」
私と新田くんは、すぐに同意する。
こんな恐ろしいゲーム、やるんじゃなかった。
気軽に始めてしまったから、明香に悠馬、そしてなぜだか分からないけど、死り神にされていた先生まで死んでしまった。
もうゲームをしなくていいなら、こんな嬉しいことはない。
「あんたは?」と、響子が冷たい目で賢太を見やる。
「別にあんたの意見とか必要ないけどね。勝手に退会できるみたいだし」
そう言って響子は、どんどんと退会手続きを進めている。
良かった。
もう、ゲームは終わったんだ。