「どういう理由かは分からないけど、操られていたんじゃないか?」


新田くんの言葉に、私たちはそれぞれ頷いた。


死り神となった先生は、私たちだと気付いていなかったんだ。


たぶん、意思すらなくて__ただ失格者を始末するようにインプットされているとしたら?


「じゃ、もう死り神は出てこない?」


それまで黙っていた賢太の問いかけには、誰も答えなかった。


『いじめを見て見ぬフリをしていた私たちも死ねばいい』


敵意をむき出しに、そう宣戦布告したんだ。


こうやって集まってはいるけど、賢太は仲間じゃない。


今回は私が【う】で失敗したから、先生が死ぬことになってしまった__。


「田辺、気にするな。殺したのは俺だし、ああしなきゃ、田辺が殺されてたんだ」


「__うん」


「そうだよ、史恵のせいじゃないって!」


響子も励ましてくれるけど、すぐに胸の痛みは消えない。


できれば、もう犠牲者を出さずに終わらせたい。


それには、あと1回。


あと1回、ゲームをクリアすれば退会できるのに。


「えっ、うそでしょ⁉︎」


いきなり、響子が立ち上がった。


その拍子にグラスが床に落ちて、派手な音を立てて割れる。


店員が慌ててやってきたけど、響子はスマホに釘付けで見ていない。


「ちょっと、どうしたの?」


私が尋ねると__響子は笑ったんだ。