今からほんの数分前のこと__。
「技術室?」
私は、新田くんの胸の中でそう聞き返していた。
「ああ、そうだ。もしもの時は技術室に逃げ込め」
「もしもの時って?」
「田辺が、しりとりに失敗した時だ。言葉が思いつかなくて、残り時間が少なくなったら、とにかく技術室に入ること。もしかしたら、物が見つかる可能性も高い」
そう言われ、前に行った技術室を思い浮かべる。
確かにあそこには、色んな工具が置いてあった。
なにも思いつかなかった場合、運良くしりとりに成功するかもしれない。
でも__私や響子は、工具を扱いなれておらず、名前すらすっと出てこないだろう。
時間がなくなり、そこに逃げ込んだ時点で失格になる恐れのほうが高い。
それなのに、新田くんはどうして技術室に行けと__?
「あっ」
そうか。
色んな工具が置いてあるということは、それだけ『武器』も多いということ。
それじゃ、まさか?
「死り神を倒す」
「えっ⁉︎」
「俺も初めは、死り神は実体がないんだと思った。でも悠馬が椅子を振り回したとき、確実にヒットしたんだ。俺たち人間が食らうみたいに、呻いてもいた。だから__もしタイムオーバーになったら、技術室の工具を使って、死り神を仕留める」
そして、その言葉通りになったんだ。



