「史恵、もう時間ないけど大丈夫なの⁉︎」
後ろから追いかけてくる響子が、心配そうに声を掛けてくる。
ようやく階段を下りきって、校舎を出る。
「大丈夫!」と振り向きざま言って、時間を確認した。
残り時間は【04:39】だ。
意外と早くここまで来れたな。
今朝のことがなかったら、思いついていなかったかもしれない。
いくら濁点じゃなくても、やっぱりゲーム中にいきなり文字を知らされると、焦って出てこない。ましてや制限時間があり、それがオーバーすると殺されるんだから尚更だ。
「あっ、やるじゃん!」
響子が褒めてくれた。
もう私がなにを見つけたのか、わかったのだろう。
私は【うさぎ小屋】を開けた。
「ぴょん太!」
中から、耳がまだら模様のうさぎを抱きかかえる。
「うさぎ!」
これで賢太に【ぎ】がいくけど、そこから【る】にはもっていけないだろうし、うさぎを抱く私に微笑みかけてくれる新田くんなら、賢太には負けない。
心から安堵していると__。
『不正解です』
校庭に響き渡る、冷淡なアナウンス。
「えっ、なんで?【う】から始まったから『うさぎ』でクリアじゃない!」
ぴょん太がビクッと震えるくらいの大きな声で、私は抗議をした。
絶対にクリアなはず!
しかし。



