楽器が置いてある奥の部屋に入る。
中には、トランペットや木琴、シンバルなんか所狭しと並んでいるけど__肝心の『ウクレレ』がない。
「えっ、無いの⁉︎」
どこかに埋もれていないか探していると__。
「馬場、無かったらすぐ切り替えたほうがいい」
新田くんがアドバイスをくれた。
そうだ、時間は刻一刻と過ぎている。
ましてや【う】から始まるものなら、少し考えればあるはずだ。
もう残り時間が【06:11】しかない。
とりあえずここには用はないから、廊下に出た。
この移動距離も、時間を減らす要因となる。
ムダに動くのも時間を浪費するし、なにか思いつかないか?
「うけ、うこ」と、また途中から始めた。
「うさ」と口したところで、脳裏に閃いたんだ。
だって、さっき会ったばかりじゃないか!
問題は、ここから1階に降りて校舎から出て、その反対側まで行かなければいけない。
確実に残り時間が減ってしまい、もしそれでダメなら戻って探すひまがなくなる__。
でも、1番始めのしりとりで『ゴリラ』がオッケーだったんだ。
それも、本物じゃなくて、偽物の縫いぐるみ。
私が閃いたものは、正真正銘の本物。
きっと大丈夫だ!
私は階段を駆け下りた。



