死りとりゲーム



『死りとりゲームの時間です!それでは【ぎ】からスタートします!』


「ぎー⁉︎」


手始めに言葉を叫ぶのは、いつものこと。


響子はぶつぶつと独り言を唱えながら、教室の中を見回している。


「失格になったりしてな。そしたら僕の手間が省けるからいいけど」


賢太がからかうように言った。


敵意は明らかで、注意しないといけない。


でも新田くんと目が合うと、力強く頷いてくれた。


おそらく、新田くんには【る】はもう通用しない。


それなら、あまり考えなくてもいいかもしれないな。


少しホッとしていると、響子が教室から飛び出していく。


なにか思いついた足取りだ。


向かった先は職員室で、前回と同様、冷蔵庫を開けた。


中に手を突っ込み、取り出したのは__?


「牛乳!」


『クリアです』


【う】か。


なかなかいいパスだ。


いっぱいあるはず、今すぐに思いつかないだけで__。


「うあ、うい、うう、うえ、うお」


響子のマネをし、一つずつ考えていく。


『ん』にいくまで、一つくらいはあるだろう。


「うか、うき、うく、うく?」


なにか引っかかり「うく」と繰り返していたら、急に閃いた。


2階の職員室から、再び3階に戻る。


目指すは【音楽室】だ!