死りとりゲーム



ぴょん太が、鼻をひくつかせて近づいてくる。


右耳のところに、黒いまだら模様がついているうさぎを『ぴょん太』という名前をつけて呼んでいた。


「おいで」


私の声がわかるのか、金網のそばまでやってくる。


「今日はエサがないの、ごめんね」


たまに、お弁当の残りをあげたりしていたんだ。


無邪気なうさぎを見ていたら、ざらついた心が次第に落ち着いていく。うさぎ小屋の扉を開け、中からぴょん太を抱きかかえると、ほんのり温かい。


頭を撫でると、ぴょん太は気持ちよさそうに目を閉じた。


新田くん__。


2人は付き合っている。


その仲を引き裂くなんてこと、私にはできない。


ゲームを通じて新田くんとは距離が縮まったし、これからも友達として仲良くできるだろう。


とにかく今は、ゲームを終わらせるんだ。


そうしないと、いつまでも不安な気持ちは消えない。


明香と悠馬には悪いけど、私は死にたくない。死ねばそれこそ、新田くんに2度と会えなくなってしまう。


まずは、ゲームをクリアすること!


決意を新たにしたとき、例の目眩がやってきた。


私は慌ててぴょん太を小屋に戻し、校舎に戻る。


その途中で、意識が弾けた。


さぁ、ゲームの始まりだ。