光がキリクを呑もうとした時、 柔らかな光がキリクを包んだ。 まるでキリクを呼ぶように、 その光はキリクを包んだ。 光の中の光、 それは闇の中の光より、なお眩い光だった。 キリクの意識はそこで途切れた。 光の旅の果てで、キリクが横たわったのは少し汚れたシーツの上だった。 そこは、天国と呼ぶには余りにもぶ仕付けで、 地獄と呼ぶには余りにも粗末だった。 そして、 キリクの新たな旅は ここから始まるのだった。