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舞い散る花吹雪。真っ白なチャペル。
「美華、おめでとう」
祝福の声があちらこちらからあがる。
(そうかぁ、私、結婚したんだ。よかった。これでお父さんにもお母さんにも、あれこれ言われなくて済むんだぁ……)
遠い空から自分を見下ろしているような、他人事の感覚に包まれた。
ところが、新郎の姿がどこにもない。
(新郎は? ってその前に新郎って……誰?)
そこで美華はハッと目が覚めた。目に入った光景に頭が混乱する。
「ここ、どこだっけ?」
どうやら夢を見ていたようで、現実との境がわからなくなったみたいだ。
「そうだ、博人さんのマンションに住み始めたんだ」
記憶の糸が繋がったところで、肝心の彼の姿が見当たらない。



