信用するもしないも、博人を構成する要素のほとんどを知らないのだから。
高校時代からの友人のようにはいかないと考えるあたり、真知子をライバル視しているようで自分が少しばかり嫌になる。でも、決してそうではない。
「それはそうよね。博人もこんな調子で軽いし、すぐに信じろっていうほうが無理よ」
「真知子までなんだよ。友達なら、男前で誠実な極上の男だとか持ち上げてくれたっていいだろ?」
「相変わらずね。自分で言っていたら世話ないわ。ね?」
美華に向かい、真知子が美しい目もとを細める。
その通りだとは思ったものの、はっきり言うには親密度がまだ足りない。曖昧に微笑むだけに留めた。
「でもね、こう見えて女性関係は清廉潔白よ。誠実なのは私が保障します」
「そう、なんですね」
一番の気がかりだっただけに、その点を旧知の友人から聞けたのはありがたい。
なにしろ出会って即プロポーズという軽さだったから。
愛がないところからのスタートとはいえ、女性問題で苦労はしたくない。



