博人が仕掛けてくれた書店の販促ツールを見た美華の担当が、ほかの書店にも波及させましょうと展開させてくれたのだ。
そういった動きのきっかけを作ったのは、紛れもなく博人だ。
「俺の力じゃない。美華の作品の力だよ」
「そんなことないです。私の本にかかわってくれた人、みんなの力ですから。本当にありがとうございます」
美華が改まってお礼すると、博人は「じゃあ、そのお返しはあとでたっぷり」と意味深に笑った。
「で、なんの映画を観るのか決めたか?」
それなら心は今朝から決まっている。
「とびっきり甘いラブストーリーで!」
こちらが照れるほどスイートな映画を観て、博人と最高の夜を過ごしたい。
「ま、俺たちに敵う恋人も夫婦もいないだろうけど」
いたずらっぽく笑った博人は美華の肩を引き寄せ、頬に優しいキスをした。
END



