「出会ってたったの二週間なんて信じられないよ」


恋に落ちる速度と時間には、因果関係がないのだろう。
少なくとも博人と美華の間には。


「ここで一緒に暮らし始めても、博人さんは毎晩ソファで寝てたから。だから、私相手ではそういう気持ちにはならないんだなって思ってました」
「一緒に寝たら、絶対にただじゃ済まないからね。理性を総動員したところで、美華が隣にいたら即崩壊だ」


そこまで想われているとは気づかなかった。
美華が鈍感なのか。博人が隠し上手なのか。どちらにしても、美華にとって胸が弾む話には変わらない。


「美華の気持ちがちゃんと俺に向いてから抱きたかった」


あり余るほどの愛に溺れてしまいそうになる。
この二週間で博人からもらったたくさんの想い。今度は美華の番だ。


「博人さん……大好き」