溺愛婚姻譚〜交際ゼロ日ですが、一途な御曹司と結婚します〜


顔を両手で覆ってみるものの、頬の赤みは増していくばかり。


「ほら、顔見せて」


両手を剥がされ、博人と目が合う。
どんな顔をしたらいいのかわからない。たぶん今、鏡で見たら滑稽な表情をしているだろう。


「あぁダメだ。かわいすぎて我慢できない」


博人は起き上がって身体を反転させ、覆いかぶさるようにして美華の両脇に肘を突いた。

昨夜シャワーを浴びたきり、ふたりとも裸のまま。はらりと毛布が落ち、博人の美しい体躯が目に触れる。
ほんの数時間前の身体を重ねていたシーンがフラッシュバックし、胸が急速に高鳴っていく。

博人は額にキスをひとつ落とし、唇を軽く啄んだ。


「ドバイにいたとき、美華を抱く夢を何度も見た」
「……そうなん、ですか?」
「目が覚めるたびに、なんだよ夢かよって」


博人がクスッと鼻を鳴らす。
思いもしない暴露話だった。