溺愛婚姻譚〜交際ゼロ日ですが、一途な御曹司と結婚します〜


◇◇◇

真知子に見送られ、無事ふたりのマンションへ帰ってきた。玄関のドアを閉めると同時に、どちらからともなく唇を重ねる。
抱き合う身体に微妙な生じる隙間がもどかしい。

角度を変え、幾度も唇を擦り合わせる。僅かに離れた隙に、博人が「美華」と吐息交じりにささやく声を聞くだけで切なくなる。

美華の心は博人でいっぱいだ。

どうしてもっと早く素直にならなかったのだろう。
どうにも止まらない恋心が、身体中から溢れ出る。

(好き、好き、大好き……)

その想いをキスに乗せて、博人に懸命に伝える。


「美華、もう……」


その先の言葉は聞かずともわかった。
以心伝心。
博人の吐息が、抱きしめる腕の強さが、美華を見つめる瞳が、全部で訴えかけてくる。

美華は瞼を伏せて合図を送った。

ベッドルームへ行くまでの距離も離れがたく、抱き合い、キスを交わしながら向かう。