その美華が今、どこかで悲しみに暮れているかもしれないと思うと、居ても立ってもいられない。すぐにでも抱きしめて、今こそ愛していると言いたい。

そして、美華も同じ気持ちだという実感がほしい。

(美華、美華、美華……)

心の叫びが、今にも口から零れてしまいそうになる。

博人は、夜の街をあてもなく彷徨った。