あまりにも情けない有様に自己嫌悪だが、博人が背中をさすってくれたおかげで、なんとか気持ちを立て直す。
「あらあら、そんなに緊張しなくていいのよ。綺麗なお嬢さんね」
母親が優しい口調で微笑む。
綺麗なんてとんでもない。
「だろう?」と同調する博人に、首を横に振って制した。
「私は博人の母の真琴(まこと)です。こちらが」
「父の潤一郎だ」
真琴と名乗った母親の言葉を受けて、父親の潤一郎も口少なに名乗る。
「この度は急なお話を快くご了承いただきまして、誠にありがとうございます」
「それを言うなら博人のほうよ。この子ったら言い出したら聞かないから。無理を言って困らせたんじゃないかしら。ねぇ、あなた」
潤一郎が低く唸るように頷く。



