溺愛婚姻譚〜交際ゼロ日ですが、一途な御曹司と結婚します〜


◇◇◇

十分といえるほどにお腹を満たし、美華は博人の運転する車に揺られる。
これからいよいよ彼の両親に会うのだ。緊張に背筋が伸びる思いがする。

ところが車は、なぜかホテルエステラのエントランス前に止まった。博人と初めて会った場所だ。
実家に行くものだと思っていただけに、美華は助手席で博人とホテルを交互に見る。


「博人さんのご両親、ここにいらしてるんですか?」
「まぁそうなるのかな」


どことなく歯切れが悪い。


「とりあえず降りようか」


博人はホテルマンにキーを預け、美華の肩を引き寄せ歩きだした。


「実は今日ここで、俺の社長就任パーティーが開かれるんだ」
「え!? 就任パーティー!?」


そんな話は初耳だ。
そのパーティーと美華のドレスアップに、なんの繋がりがあるのか。