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十分といえるほどにお腹を満たし、美華は博人の運転する車に揺られる。
これからいよいよ彼の両親に会うのだ。緊張に背筋が伸びる思いがする。
ところが車は、なぜかホテルエステラのエントランス前に止まった。博人と初めて会った場所だ。
実家に行くものだと思っていただけに、美華は助手席で博人とホテルを交互に見る。
「博人さんのご両親、ここにいらしてるんですか?」
「まぁそうなるのかな」
どことなく歯切れが悪い。
「とりあえず降りようか」
博人はホテルマンにキーを預け、美華の肩を引き寄せ歩きだした。
「実は今日ここで、俺の社長就任パーティーが開かれるんだ」
「え!? 就任パーティー!?」
そんな話は初耳だ。
そのパーティーと美華のドレスアップに、なんの繋がりがあるのか。



