溺愛婚姻譚〜交際ゼロ日ですが、一途な御曹司と結婚します〜


再び車に乗り、いよいよ博人の実家へ向かうかと思いきや、車はコインパーキングに停められた。


「どこへ行くんですか?」
「ちょっと腹ごしらえに」


尋ねる美華にニコッと歯を見せる。

(これから実家へ行くのにふたりで食べちゃうんだ。あ、そうか。ご両親に気を遣わせないためなのかも)

午後四時という中途半端な時間に躊躇いを覚えつつ、博人に従う。

(でも、こんな時間に博人さんが行くようなお店は営業してるのかな)

美華が行くようなファミレスなどであれば営業しているだろうが。

賑わう通りから路地を入ったところに佇むビル。階段を下りて地下へ行くと、木目調のドアが現れた。
看板は見当たらない。

博人がインターフォンを押すと、自動で引戸が開いた。足を踏み入れると、さらにもうひとつのドアがある。
中から黒服の男性が扉を開け、美華たちを出迎える。