溺愛婚姻譚〜交際ゼロ日ですが、一途な御曹司と結婚します〜


◇◇◇

美華が車で連れてこられたのは、ブランドショップが建ち並ぶ通りに面した高級店だった。
壁の白とフロアの黒が気品あふれるコントラストを描いた空間は、博人が一緒でなければ気後れして入れないようなオーラに満ちている。


「彼女に似合うものを見繕ってほしい」


博人はそばにいた店員にそう告げると、「後で迎えにくるよ」と言い残し、ひとりで店を出ていってしまった。

髪をきっちりとおだんごにまとめた三十歳そこそこの女性スタッフが、美華に上品に笑いかける。
心細い思いで微笑み返したら、唇の端が引きつった。

まるで着せ替え人形のように次から次へと洋服を着せられては脱ぐ。
数人のスタッフがつきっきりで、こっちがいい、あっちがいいとフィッティングルームを出たり入ったりした。

そうして満場一致で決まったのは、ピンクと白のパイピングデザインにウエストリボンが愛らしいワンピースだった。フィットアンドフレアのシルエットのおかげでスタイルがよく見える。


「お客様は色白なので、このカラーはより一層お肌の白さが引き立ちます」