何度思い返しても胸が熱くなる。読者の声は偉大だ。 「美華の力になれて俺もうれしいよ」 わしゃわしゃと頭のてっぺんを撫でられて、首がゆらゆらと揺れる。 「あの竹下とかいう編集者の力は借りなくていいからな」 美華の顔を覗き込み、釘を刺すのも忘れない。 笑ってはいるが、博人の真っすぐな気持ちは美華の心に深く響いた。