「それから、彼女がこの絵本の作家なんだけど」
抜き打ちで紹介され、うしろに控えていた美華が飛び上がる。
「ちょっ、博人さん……!」
まさかそんな暴露をされるとは予想もせず、オロオロする美華に「いいから」と彼が言い含める。
女性スタッフは「そうなんですか!」と顔をパッと明るくさせた。
「この近くに住んでいるんですが、地元作家とか銘打って売場にコーナー化したらどうかと思うんです」
博人が思い切った提案をし始めた。
「博人さんってば!」
小声で洋服を引っ張るものの、先ほど同様「いいから」と退かない。
女性スタッフは相槌を打ったものの自分では手に負えないと考えたか、お待ちくださいと奥に引っ込んだ。
しばらくして責任者なのか、奥から四十代の男性が出てきた。



