溺愛婚姻譚〜交際ゼロ日ですが、一途な御曹司と結婚します〜


それを感じたからといって、結婚してうまくいくのだろうか。どこか別物のような気がしてならない。
たぶん、沙也加のような女性が目の前に現れたせいもあるだろう。
自分に自信をもてないから、博人のような社会的に成功している男性に引け目を感じるのだ。

(せめて、もっと売れっ子の絵本作家だったらよかったのに)

叶いようのない願いまで抱く始末。

美華の揺れる想いが伝わったか、博人は小さなため息をついた。


「今日、カフェで男と一緒にいる美華を見たとき、俺がどう思ったかわかる?」


唐突に聞かれ、博人を見る。


「結婚を承諾しておいて、ほかの男と会うとはどういうことだ、とかですかね」
「ちょっと違うな。結婚がどうこうじゃなく、純粋にイラッとした」


いまひとつ意味がつかめず、ん?と小首を傾げた。


「ヤキモチだ」
「……え?」