千紘さんのありがた~いお話

 ああ、でも、昨日、お給料が出て、買い物の帰りに、初めて自販機で缶のミルクティーを買えたのは嬉しかったな。

 あの味と冷たさは一生忘れないだろうな、と思っていると、

「決まったか?」
と訊かれた。

「あっ、はいっ。
 私、チーズハンバーグでっ」
と慌てて言うと、千紘が店員を呼んでくれる。

 そんな千紘の姿を見ながら、真昼は、

 ふふ。
 少しは私も進歩したようだな、と思っていた。

 こうして、千紘さんを前にしていても、回想にふけれるようになるだなんて。

 ちょっとは家族っぽくなったってことだろうかな、とご満悦だったのだが。

 注文を終えた千紘が、こちらを、じっと見つめてきたので、結局、固まる。

 ……なんなのですか、千紘さん。

 そんな綺麗な目で見つめないでください、千紘さん。

 ちょっと息ができなくなってきましたよっ。

 どうにかしてくださいっ、千紘さんっ。