千紘さんのありがた~いお話

「じゃあ、西側に山があるから、早く沈んでるように見えるとか」
と言っている間に、もう千紘は、さっさと地下道に入っていこうとしている。

「あっ、千紘さん。
 おうちは、反対側ですよ?」

 買い忘れたものがあったので、買い足しに行こうかと思っていたのだが、千紘が帰ってきたのなら、もうあるもので作ろうと思っていた。

 だが、階段の途中で振り返った千紘は、

「まだ、なにもしてないんだろ?
 たまには食べに行こう」
と言ってくる。

「もうビンボーは脱出したんだろうが」
と言われ、真昼は、ははは……と笑った。