千紘さんのありがた~いお話

「どうしたんですか?
 なんで、こんなところに」

「いや、今日は出張からそのまま帰っていいことになったから」
と言われ、えっ、と言うと、

「……別に晩ご飯はいつも通りの時間でいいぞ」
と千紘は先を読んで言ってくる。

 今、此処に居るということは、なにも支度していないということだとわかっているようだった。

「すみません。
 なんだか、毎日、あっという間に時間が経ってしまって」
と苦笑いして言い訳すると、

「また呪いの村に行っていたんじゃないだろうな」
と千紘は言う。

 あの漫画を読み返したんじゃないのか、という意味のようだ。

「いえいえー。
 そういうわけでもないんですけど。

 此処、日が落ちるのが早いんですかね~」

「そんなわけあるか。
 こっちの方が西だぞ……」

 前住んでたところより、西にあるのに、太陽が早く沈むわけはないという。