千紘さんのありがた~いお話

 



 お掃除をして、ご飯を作って、間でちょっと本を読み返して。

 また夕食と明日のお弁当の買い出しに行って。

 新米主婦なので、要領が悪いのか。

 あっという間に日が暮れる。

 うーむ。

 実は此処は日が落ちるのが早いとか?
と歩道から、全体的に低い建物の並ぶ町を見ながら真昼は思う。

 夕日はもう、その低い建物に少しかかっていた。

 真昼のアパートの前にある、町で一番大きな道は、横断歩道ではなく、地下道を通って渡るようになっている。

 暗いから怖いんだよなーと思いながら、真昼はなんとなく、地下道の入り口にある文字を読んだ。

「ちかみち」

「『ちかどう』だろう……。
 まあ、ある意味、間違ってない気もするがな」
と後ろから呆れたような声がした。

 千紘さんっ? と真昼は振り向く。