食後、なんとなく、真昼と一緒に漫画を読み始めた。
お互い、無言のまま、十時を過ぎる。
はっ、と真昼が先に正気に返った。
「お風呂っ、入れてきますっ」
真昼が先に正気に返ったのは、彼女の方が理性があるわけではなく、先に読み始めたので、先に読み終わったからだ。
真昼が風呂を入れている音を聞きながら、千紘は思っていた。
愛妻家だね、と言われて、いろいろ考えてしまったので、今日こそ、真昼になにか言おうと思っていたのに。
なにかそういう雰囲気じゃなくなってしまった……と手のひらの上で、大変な惨殺事件が起きている本を見る。
おのれ、門馬め。
遠回しに邪魔してきたのか、と思ったが、龍平は、自分と真昼が夫婦なことも。
その関係が偽装なことも知らないはずだった。



